時代をつなぐ対論 君たちは建築をどう生きるのか
モダニズム、1970年代以降、東京

Section 2 私たちの建築への問題意識
伊東豊雄×中川エリカ×堀越優希×山田紗子
企画・モデレーター:真壁智治

モダニズム、そして1970年代以降の東京を起点に、私たちはどのように建築に向かおうとしているのか、その意識を探る全4回。

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Section 2は、中川エリカさん、堀越優希さん、山田紗子さんによるプレゼンテーションからスタート。それぞれの原風景、建築家として手掛けてきたプロジェクトを紹介しながら、建築と街、均質空間と身体性、風景の構造、色と形など多岐にわたる問題意識を表明されました(動画前編)。
プレゼン後の対論(動画後編)では、伊東豊雄さんと若手3 人の世代間ギャップが浮き彫りに。会場にただならぬ空気が漂うなか、建築家の平田晃久さんが、現代の建築家が置かれている立場を、歴史的文脈を踏まえて語り始めたところから、議論はドライブ。
さらに建築家の山本想太郎さん、 高野洋平さん、御手洗龍さんも交え、率直で緊張感ある議論が展開されました。
グローバル経済を背景に均質化する都市に、建築家はどう対峙していくのか。熱量に満ちた対論を、ぜひご覧ください。

[前編]プレゼンテーション(中川エリカ×堀越優希×山田紗子)

中川エリカ
「わたしはどう建築と向き合ってきたのか/いくのか」
原風景・原体験と今|「街・性善説」|大きな模型の可能性の探究
堀越優希
「均質空間の中で建築をどう生きるのか」
深夜、歩いて帰るまち|見えない中景|自邸
山田紗子
「toward landscape」
群とネットワークのランドスケープ|個の集合としてのランドスケープ|形を超える色・率直な形・動的な関係性|風景の構造を捉える

[後編]対論(伊東豊雄×中川エリカ×堀越優希×山田紗子)

期間限定公開|8月31日まで
*公開終了後は会員のみ視聴可能。

建築を組み立てる思考の違い|時代の身体感覚を捉える|コミュニケーションが身体感覚につながる|批評が成り立つ基盤はどこにあるのか|近代主義に覆われた社会の問題|均質空間をいつまで維持できるのか|均質化してしまった身体をどう取り戻すのか|

日時:2025年12月16日(火)
会場:伊東建築塾 恵比寿スタジオ

次回のSection 3 は、対論終了後に伊東さんから届いたメッセージ(下記)を踏まえて、議論を深めていきます。

MESSAGE

「その社会が建築をつくる」への疑問
伊東豊雄

かつて建築家、林昌二は〈その社会が建築をつくる〉と言いました。この発言は、恐らく彼の主宰する日建設計が新宿西口にNSビルをつくった頃だと思います。当時からこの言葉は、多くの関係者から肯定的に受けとられていました。

確かに建築は、〈その社会〉に生きる人々のためにつくられるべきだし、また逆に社会の需要(直接的にはクライアント)がなければ実現しません。
現に、東京のような大都市では再開発が続き、高層ビルが次々と建てられています。地震や火災に弱い木造住宅群や中小ビルが、新しい高層ビルに建て替わるのは、安心安全のためという大義名分の下でしょうが、多くの人々は〈その社会〉に果たして満足しているのでしょうか。情報に攪乱され、人間本来の生命力を見失ってはいないでしょうか。

現在〈その社会〉とは、私には経済ばかりを追い求め、ものの美しさや力に価値を理解しない社会のように感じられます。そのような社会の需要に応える建築に加担することは出来ません。私は〈その社会が建築をつくる〉と公言する人々と共同で建築をつくることはしてこなかったつもりです。端的に言えば、建築に対する思想の異なる人とは建築を一緒につくってこなかった、ということです。

今回の3人のパネリストの人達は、既に経済最優先の社会に覆われた東京で育ったので、〈その社会〉を外側から批判的に見る眼差しを持ち得ないのかもしれません。彼らは未だ住宅レベルの仕事しかないので、より大きなプロジェクトに関わる機会がないのかもしれませんが、彼らより上の世代の建築家達の言動には疑いを抱かざるを得ません。

REFERENCE